ごあいさつはじめまして。
当ピアノ教室のHPにご訪問いただき、ありがとうございます。
 
私がピアノを習い始めたのは4歳のときです。
お友達の発表会を見に行ったのがきっかけで、また母が小さい頃ピアノを習っていたこともあり、私も習い始めることになりました。
 
初めて通ったお教室は、近所の個人ピアノ教室でした。
結果的には、その先生が卒業した音大への入学を目指し、音楽教室や音楽高校を経て、無事入学に至りましたが、とにかく小さい頃は楽譜を読むことが苦手でした。
特にヘ音記号や加線のたくさんある音が苦手で、楽譜を見るというよりは、先生が弾く見本の演奏を耳で覚えていって家で練習する、という方法で曲に取り組んでいたと思います。
 
ピアノの先生になりたいという気持ちは、幼稚園の頃からありました。
そのときに、「こういう風に教えたい!」と思っていたのが、
1.ヘ音記号への苦手意識を最初から持たせない
2.左手で弾くことを苦手にさせない
3.初見(初めて見た楽譜をいきなり弾くこと)を得意にさせることです。

 
これらを全て解決するため、私はレッスンで片手ずつ弾かせるときには、必ず「左手」から弾かせています。
しかし左手だけだと曲の全体像が見えず、弾いていても面白くありません。
そこで、右手部分を先生が弾いて一緒に合わせます。
右手のメロディーを歌いながら左手を弾いたりもします。
すると、家で左手だけの練習をするときも、右手のメロディーを頭に思い浮かべながら弾くことができるので、練習がそれほどおっくうではなくなるのです。
ヘ音記号への苦手意識を持ってしまうこともありません。
左手がしっかり弾けていると、リズムやテンポが安定するので、曲がだんだん速くなってしまったりということも防げます。
 
また、「宿題を出された曲がどういう曲なのかイメージできなくて、結局練習できなかった(練習したくても弾き方がわからなかった)」という経験がある方もいるかもしれません。
私自身もそのような経験があるので、レッスンで宿題を出す際には、どんな曲か一度レッスン中に譜読みしてから「じゃあ家でも今弾いたように練習してきてね」と終えるようにしています。
一度も弾いたことない曲を毎週レッスンでいきなり弾いているため、いやでも初見ができるようになっていきます。
 
また、レッスンで使う教材は、その子のレベルに合わせたものを私が選んでいますが、昔ながらの教材(ハノン・バイエル・ブルグミュラー・ソナチネなど)も、取り入れています。
バイエルについては批判意見もありますが、それはあくまで「バイエルを中心としたレッスン方法」です。
バイエルは始めて半分くらいまではト音記号しか出てこないため、確かにバイエルの曲だけでは理想のレッスンはできません。
なので、「バーナム・ピアノテクニック」のような、左手がヘ音記号で、右手も左手も偏りなく出てきて、様々なリズムや加線もたくさん使われているような楽譜を必ず一緒に取り入れ、またソルフェージュも行っています。
 
バイエルのような昔ながらの楽譜も使う理由についてですが、今はまだ小さなお子様が、例えば将来的に「幼稚園の先生」や「学校の先生」を目指す可能性もあると思います。
教職科目でのピアノ実技には、今でもバイエルやツェルニーが必須教材になっています。
実際に私が以前勤めていた専門学校でも、バイエルが試験曲になっており、それに受かることが単位を得る条件でした。
保育園や幼稚園の採用試験では、ブルグミュラーが課題曲になっているところもありました。
なので、せっかくピアノを習うからには、様々な楽譜を経験しておいたほうが良いのです。
 
私は、ピアノを習っている子どもたちが、いずれ幼稚園の先生などになったとき「ピアノが得意な先生♪」になってくれたら嬉しいと思っています。
音楽の道を目指している子はもちろん、学びの1つとして習っている子にも、ぜひ「人前で自慢できる特技」としてピアノの技術・表現力を身につけてほしいと思います。
ピアノが弾けるということは、目の前の世界を一歩広げます。
ぜひ、一緒にピアノの世界を歩んでいきましょう!
 
2011.06.16 くちいわ のりこ